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弁護士に依頼すると獲得できる損害賠償額が増える理由

被害者本人の請求では不十分な賠償金しか獲得できない理由

被害者が事故に遭って、相手方の任意保険会社に損害賠償請求等をすることになったとします。保険会社からは最終的な示談金として一定金額の賠償金が提示されました。この金額は適正な金額なのでしょうか。
「それなりの金額がもらえるようだから、よくわからないけど、これで示談しようかな。」と思うかもしれませんが、おそらくその金額は、弁護士に依頼していれば獲得できる金額と比較すると、(ケースによってはかなり)不十分な金額だと思います。
なぜ、被害者本人が請求した場合と弁護士に依頼した場合とで獲得できる金額に差が出るのかというと、弁護士の方が単に法的知識や交渉力があるからということのほかに、保険会社が、相手が被害者本人なのか弁護士なのかによって、異なる算定基準を使用していることが挙げられます。
算定基準は、以下のとおり、3つ存在します。

自賠責保険基準

まず1つ目は、自動車損害賠償保障法によって定められている支払基準です。
自賠責保険は、事故による被害者の最低保障を目的としていることから(→「法律で自賠責保険の強制加入制度が採用されているのはなぜか」参照)、後述の裁判基準に比べると相当低い金額となっています。
保険会社は、この金額で算定した金額を、「自賠責基準は法律で定めた金額です」などと言って、あたかも正当で十分な金額かのように提示してきます。
あくまでも被害者の損害の最低保障が自賠法の趣旨なので、この基準で算出した金額で示談するのは、国が自賠責保険会社に支払うよう法律で命じている最低金額で手を打つということです。

任意保険基準

自動車の損害保険には、自賠責保険の他に、各保険会社が独自に支払基準を定めている任意保険があります(→「自賠責保険(自賠責共済)と任意保険の関係」参照)。
任意保険は、自賠責保険の上積み保険ですが、従前は、各保険会社で共通の基準が用いられていました。しかし、各保険会社が同一の基準で保険金等を定めていることが独占禁止法との関係で問題となったため、平成9年3月以降は、保険の自由化により、各保険会社がそれぞれ独自の支払基準を定めています(もっとも、支払基準は公表されていません)。
任意保険は、自賠責保険の上乗せ保険とはいうものの、私企業である任意保険会社が利益を得ることを前提として計算された支払基準ですから、少なくとも入通院慰謝料・後遺障害慰謝料及び入院雑費等定額扱いの賠償基準については、後述の裁判基準よりも低い金額が算出されることになります。
損害費目によっては自賠責基準よりも高いものもありますが、だからといって任意保険基準の賠償額が十分な金額といえるかというと、やはり不十分なものと言わざるを得ません。

なお、任意保険基準で計算した損害額を提示してきた保険会社に対して、「それは任意保険基準の金額なので応じられません」と言うと、保険会社の担当者は「裁判もせずに早期にお支払いする金額ですから、これで納得して頂けませんか」などと言ってきたりします。これは「金額としては確かに裁判基準よりも低い金額だが、裁判には時間もお金もかかるのだから、その手続・費用を省略できるというメリットを考えれば、任意保険基準の金額で応じるのも合理性があるのではないか。」という趣旨です。
しかし、そもそも弁護士に依頼してもすぐに訴訟提起するということは通常あり得ず、裁判基準で算定した高額の損害賠償額で示談交渉をしますし、むしろ弁護士が保険会社と交渉した方が、被害者本人が保険会社とズルズルと交渉よりも早期に解決することもあります。そのため、保険会社が主張するような「裁判の手続及び費用」というものはそもそも必要としないことが多く,その場合でも任意保険基準よりも高額の示談を結ぶことが可能です。また、そもそも保険会社の主張する事実と被害者側の主張する事実との間に大きな齟齬があり、両者の主張する損害額に埋めがたいほどの隔たりがある場合には、裁判は必要不可欠です。このような場合にまで、裁判をしないで早期に解決しようというのは経済的には明らかに不合理です。

裁判基準

日本では、これまで数え切れないほどの交通事故が発生し、また交通事故に基づく損害賠償請求訴訟が提起されてきました。過去に蓄積された交通事故に関する裁判例は、膨大な量にのぼっています。
これらの裁判例を精査・分析すると、裁判例においておおよそどのような基準が用いられてきたのかが明らかになります。実際に、これらを財団法人日弁連交通事故相談センターが調査し、公表したものが裁判基準です。
つまり、裁判基準は、その名のとおり、これまでの裁判例で損害額算定の実際の基準とされていたもので、裁判になればどれくらいの損害額が認定されるかという概算額を予め計算できる一応の目安となるものです。具体的には、上記相談センター本部が発行する「交通事故損害算定基準」(表紙が青いので「青本」と呼ばれます。)や同相談センター東京支部の発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(表紙が赤いので「赤い本」と呼ばれます。)が基準となります。裁判官もこれを参考にして損害額を算出しています。
この基準は、裁判になれば最終的に認められる損害額を示すものですので、十分な賠償額を算出することができ、法的根拠のない各損害保険会社の独自の任意保険基準よりも当然高額になります。
弁護士は、裁判だけでなく、示談交渉においても、裁判基準を使って保険会社と交渉をします。一般の被害者が、裁判基準を使って保険会社と交渉をしても、損害保険を職業として扱っている保険会社担当者と裁判基準を使って対等に示談交渉をすることは事実上難しいかもしれません。

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