対人賠償保険は、被保険自動車(保険証券記載の自動車)の所有・使用または管理に起因して、他人の生命または身体を害し、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害の填補を目的とし、自賠責保険の支払限度額を超える賠償額を填補する任意自動車保険です。そのため、対人賠償保険は、自賠責保険の「上積み保険」とか「上乗せ保険」などと言われます。
この保険の被保険者になり得る者の範囲は、記名被保険者(保険証券記載の被保険者)に限られず、記名被保険者の配偶者・未婚の子・同居の親族、記名被保険者の承諾を得て被保険自動車を使用中または管理中の者(許諾被保険者)等にも拡大されていますので、交通事故加害者となってしまった方は、自分が記名被保険者でない場合には、対人賠償保険の被保険者となっているのか保険証券の確認が必要となります。
事故被害者としては、交通事故により死傷した場合に、(1)加害者本人または(2)加害者が付保している対人賠償保険の保険会社との間で、損害額について交渉をすることになります。
人身事故による被害者を救済するという点では、自賠責保険の上積み保険としての機能を発揮しますが、例えば、填補責任、被保険者の範囲、過失相殺、免責事由などの項目では、自賠責保険の内容とかなり異なるところがあります。